インタビュー 映画 韓国


ALL RIGHTS RESERVED少年時代に家族でアメリカに渡ったドンソク兄貴は、若い頃は苦労もしたそう。「アメリカではパーソナル・トレーナーをはじめ、皿洗いやクラブの用心棒など、いろんな仕事をしましたが、ずっと俳優になりたかった。以前は今よりもっと体が大きかったんです。韓国で俳優になるには大きすぎて、一発屋になるだろう、と言われていました」とのこと。長く個性派の脇役で、まだまだこれ以外にも、マ・ドンソク兄貴は沢山の質問に答えてくれたので、また別の機会にご紹介したいと思います。そして、インタビューの一部は、ムービープラスのカンヌ映画祭授賞式番組でも放送予定なので、こちらもお見逃しなく!インタビュアー石津文子とマ・ドンソク兄貴 二人で指ハート!インタビュアー・文:石津文子『悪人伝』は2020年7月17日よりシネマート新宿ほか順次全国公開凶暴なヤクザの組長チャン・ドンスが、ある夜何者かにめった刺しにされる。奇跡的に⼀命をとりとめたドンスは対立する組織の仕業を疑い、手下を使い犯人探しに動き出す。一方、捜査にあたるのは、暴力的な手段も辞さない荒くれ者のチョン刑事。彼は事件がまだ世間の誰も気づいていない連続無差別殺人鬼によるものであると確信し、手がかりを求めてドンスにつきまとう。互いに敵意を剥き出しにしながら自らの手で犯人を捕らえようとするドンスとチョン刑事。しかし狡猾な殺人鬼を出し抜くために互いの情報が必要であると悟った2人は、いつしか共闘し犯⼈を追い詰めてゆくーー。2020年7月17日よりシネマート新宿ほか順次全国公開関連記事このホームページに掲載されているデータを権利者の許諾なく使用することを禁じます。 オーストラリアの映画サイト「FILMINK」が配信したコンテンツから「Cinemarche」が連携して海外の映画情報をお届けいたします。「FILMINK」から連載15弾としてピックアップしたのは、日本公開は2020年1月、邦題は『パラサイト 半地下の家族』と発表された本作の魅力を、監督の視点から読みといていきましょう。スポンサーリンクCONTENTS2019年カンヌ国際映画祭パルムドール、シドニー映画祭を制したのは“道化師無しの喜劇、ヴィラン無しの悲劇”を撮った、韓国人のある監督でした。監督であり脚本家のポン・ジュノは大学生時代、稼ぐために裕福な家族の家庭教師をしていたと言います。父親はグラフィックデザイナー、韓国の中流家庭で育ったジュノ監督は雇用主の家に足を踏み入れた時、“不気味で親しみのない”そんな気持ちを感じたと言います。「彼らの二階にはサウナがありました。当時の私にとって衝撃的でした。家の中にサウナだなんて、なんて奇妙なんだろうと」最新にして最高の作品『パラサイト』のアイディアを彼に植え付けたのはこの経験でした。現在49歳の映画監督が“道化師無しの喜劇、ヴィラン無しの悲劇”と呼ぶ経済的格差の痛烈な風刺『パラサイト』。カンヌ国際映画祭で『パラサイト』は審査委員満場一致でパルムドールを受賞、ジュノ監督は韓国人として初めてこの栄誉ある賞を獲得した監督となりました。ジュノ監督作品の常連『殺人の追憶』(2003)『グエムル-漢江の怪物-』(2006)『スノーピアサー』(2013)などに出演するソン・ガンホが、今回は失業中の父親という役柄に挑みます。5月下旬に上映開始された母国のボックスオフィスは絶好調。マイケル・ムーア監督の『華氏911』(全世界2億2200万ドルの興行収益)以来の収益が高いパルムドール作品となることは疑いようがありません。ジュノ監督は、2013年の黙示録的なスリラー『スノーピアサー』のポストプロダクション中、またNetflix作品『オクジャ』のスクリプトを作成する前に、『パラサイト』の構想を練り始めました。「『スノーピアサー』は階級闘争と階級格差についての物語で、電車の最後部と最前部の間で抗争が起こります。この映画ではSFとアクションが繰り広げられたので、『パラサイト』はより現実的な方法で、そして小さな規模で経済的格差について描きたかったのです」『パラサイト』には元もと『The Décalcomanie』というタイトルが付けられていました。これはイメージが形成され、別の面に転写または反射させるという意味を持つ芸術の概念“decalcomania(デカルコマニー)”、“decal(デカール)”という単語が由来のものでした。「裕福な家庭と貧乏な家庭、二つの家にアプローチする上で私が考えたことは、彼らは同じ平面の上にいるということでした。物語の中では平等と言える立場にいるんです。しかし貧しい家庭にもっと焦点を当てるように構想を変えていきました」『パラサイト』はチェ・ウシク演じるキャラクターのギウが、パクという裕福な家庭で家庭教師の職を得ることから始まります。誰が一体“パラサイト=寄生虫”なのかと正確に特定することについては、ジュノ監督は消極的です。「映画の中で彼らは悪事も働きますが、彼らは物語の本当の悪役ではありません」監督は現代社会の肖像、恐ろしいシステムを劇中であぶり出すのです。貧困家庭が寄生虫とならざるをえないようなシステムを。「この映画の中の貧しい家庭のキャラクターたちは、実際には賢くて有能です。これだけのスキルと頭脳があれば彼らは仕事を十分にやっていけるだろう、しかし問題なのは彼らにとって十分な雇用が無いということなのです。それは韓国だけでなく全世界が面している経済状況だと思います。適切なシステムが設定されているならば雇用はうまく行き渡りますが、実際にはひどく危険な状況に直面しなければいけないわけです」スポンサーリンク映画制作中にジュノ監督はジョゼフ・ロージー監督、ダーグ・ボガート出演の『召使』(1963)、クロード・シャブロル監督の『野獣死すべし』(1969)、そしてメイドから“仕事”以上のものを受け取る作曲家と妻、家庭内の愛憎を描いたキム・ギヨン監督の『下女』(1960)などの作品を振り返ったと言います。「キム・ギヨン監督は私のメンターです。『パラサイト』も、もちろん彼の影響を受けています」ジュノ監督は『パラサイト』を“階段映画”の一例だと語ります。『下女』でも、“階段”はプロットとテーマの中心です。『パラサイト』ロケーションのほとんどを占めるのはモダンで美しいパクの世帯。家のデザインと登場人物たちのアクションは『パラサイト』後半部分でますます重要なところとなります。「最初の一時間は観客のための設定やキャラクターの構築。残りの一時間は予期せぬ形で展開が爆発するかもしれませんよ」ジュノ監督はセットに入る前、各キャラクターが物理的にやり取りし作用し合うような精巧で緻密なブロッキングを考えていました。「脚本を終えた時、私は家の基本的な構造を頭に浮かべていました」しかしそれを実現させる家の設計は大変困難なものでした。各キャラクターたちは重要な瞬間、互いを確認することができてはいけないと監督は主張します。「家の中の視認性と非視認性の考え方は映画にとって重要でした。私たちは建築家のところへ意見を求めに行ったのですが、こんなデザインは馬鹿げてると言われてしまいました」そのため『パラサイト』のチームは要件にあった珍しい物件を探すのではなく、一連のセットで撮影することを選択したと言います。「こういったアクシデントや衝突に遭遇すると私はもっとワクワクします。セットは非常に囲まれた、閉所恐怖症的な空間です。この映画の90パーセントは、裕福な家と貧乏な家双方で語られることについて描かれます。このセットが、その空間や断面を顕微鏡で覗き込むことを可能にしました」その結果、社会的なメッセージとブラックコメディ、更には暴力描写が融合した作品が出来上がりました。「映画内で予期せぬ出来事が繰り広げられているのを見るとき、きっと焦って緊張感に溢れている感覚を楽しんで頂けるでしょう。これを語るのは少し躊躇してしまいます。すごい変態だと思われたくないし!でも観客たちは各シーンを見て笑うとき、同時にその笑いを疑うでしょう。罪悪感も抱くかもしれません」スポンサーリンク不適切なジョークも多いことから、本作は北朝鮮を挑発しているとも言われています。韓国と北朝鮮の関係は芳しいものではありません。「私のアメリカの友人たち何人かは「このまま韓国に住み続けるつもりか?」と問うこともあります。大丈夫か?と。しかし韓国の人々はそれほどそのことについて考えていません。もちろん私たちは戦争を恐れていますが、日常生活を続けます。なぜなら結局のところ、私たちにできることは何も無いからです」ジュノ監督は2年前『オクジャ』をカンヌにて上映した時、Netflixの配給をめぐる論争に巻き込まれました。監督は『オクジャ』を作ったことは何も後悔していないと言います。『パラサイト』で久しぶりに母国語である韓国語で映画を撮るのは楽しい経験だったそうです。「私は本作にて、詳細についてより多く注意を払うことができたように感じました。それは素晴らしいことでした。今後もこんな映画製作ができるように探求していきたいと考えています」FILMINK【英文記事/James Mottram*『殺人の追憶』(2003)『グエムル-漢江の怪物-』(2006)のポン・ジュノが監督を務め、同2作に出演したポン・ジュノ組常連のソン・ガンホが主演しました。失業中のキテクは家族と細々と暮らしていました。ある日、キテクは裕福なパクという男の家の家庭教師の面接に行きますが、そこから予期せぬ事件に巻き込まれ始め…。Category : Tags : 連載コラム『すべての映画はアクションから始まる』第11回 日本公開を控える新作から、カルト的評価を得ている知る人ぞ知る旧作といったアクション映画を網羅してピックアップする連載コラム、『すべての映画はア … 連載コラム「未体験ゾーンの映画たち2019見破録」第58回 ヒューマントラストシネマ渋谷で開催された“劇場発の映画祭”「未体験ゾーンの映画たち2019」。全上映作品を劇場で観て、連載コラムで紹介するこ … 連載コラム『だからドキュメンタリー映画は面白い』第41回 空爆されたシリアの病院で、母は娘を撮り続ける。 今回取り上げるのは、2020年2月29日(土)よりシアター・イメージフォーラムほか全国順次公開 … 連載コラム「偏愛洋画劇場」第9幕 今回ご紹介するのは第65回カンヌ国際映画祭パルム・ドール受賞、第85回アカデミー賞外国語映画賞を受賞した作品、ミヒャエル・ハネケ監督による『愛、アムール』(2012) … 連作コラム「映画道シカミミ見聞録」第40回 こんにちは、森田です。 今回は4月19日に全国公開された『映画クレヨンしんちゃん 新婚旅行ハリケーン ~失われたひろし~』を紹介いたします。 「野原一家を再 … Today's RankingCategory ­「THE GANGSTER, THE COP, THE DEVIL」©2019 KIWI MEDIA GROUP. ALL RIGHTS RESERVEDドンソク兄貴(と呼びたい)は『新感染~』(「THE GANGSTER, THE COP, THE DEVIL」©2019 KIWI MEDIA GROUP.

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